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業務内容 お庭の管理と設計・施工access

造園設計のご提案 当社の長年培ってきた造園技術を駆使すると長期的にコスト削減が可能です。 




伝統建築に見る緑化の維持管理
 
いままでの業務を通して学んだ経験から造園設計を提案します。

1 緑化の変還とあり方

(1) 建築の意図に合う植生管理

宮のお茶室は4軒あります。松琴亭、賞花亭、笑意軒、月波楼でそれぞれ意匠が違い、春、夏、秋、冬と
季節を意図として茶会が催されました。しかしながら、創建時から現在に至る360年間に大きな植生変化が起き、
江戸後期に書かれた古図を見ますとアカマツが沢山描かれていましたが、まつ食い虫が猛威を振るったせいも
ありますが、現在の植生の中核は落葉樹高木(ムク、エノキ)や常緑広葉樹(アラカシ、ツバキ)に移りました。

このように、植生が代わり好みを意図した時代に張るの茶室賞花亭などに描かれているヤマブキは姿なくなり、
現在では自然感覚を重視して季節感も庭園構成面でエリア的表現に移って来ました。
賞花亭エリアも深山幽玄の意匠、趣に合う里山的植物スギ、ヒノキ、モチツツジ、アセビ、サカキを
賞花亭へ続く山道中心とした植生で表現しています。


樹木が持つ年間生理的習慣に配慮する



(1) 樹木が持つ年間生理的習慣に配慮する
 樹木の種属においても成長期、開花期、落葉期、休眠期など生活パターンが異なることから
整姿の時期や方法を選択して手入れが行われます。
 主要木の針葉樹(アカマツ、クロマツ)を一例にして説明しますと、
春の成長期に徒長の制御を目的とした、古来からの緑摘み(芽摘み)、
新芽を手で折り取り樹木のバランスを整え、秋の落葉期に整形を目的とした、
古葉の揉み落とし並びに透かし手入れを行い、樹姿を整える年間2回の手入れを行います。
 こんな風に、樹木の手入れ時期に合わせて、計画を組立て維持管理を行っています。

樹木が持つ年間生理的習慣に配慮する


樹木は本来持つ樹形や枝葉の付き方など様々な違いがありますし、同じ名前の樹木でも遺伝的個体差や
自生環境的にも生育変化が生じます。たとえば、景観木の針葉樹や落葉樹スギ、ヒノキ、モミなどは
円錐形であり、ケヤキ、ムク、エノキなどは半球形であり、自然樹形の姿を損なわないよう樹木整姿を
手入れを行いますし、樹木には日光を好む陽樹と陰樹など光線のコントロールを計るよう手入れで
強弱を付け、育成環境を十分鑑みて維持すると共に樹木本来が持つ容姿を引き出す整姿法で管理しています。

先ほど挙げたマツで述べますと、春、緑摘みを行ったマツは梅雨明けの頃に一斉に葉を開き雨上がりの後、
揃った葉に西日を受け萌ゆる緑となし、秋、葉毟りを行ったマツに薄雪が被り朝日を浴びた背景は何事に
も替え難い味わいがあります。

 このように、先人達が植物の営みを注意深く観察し樹木本来の個性や特徴を引出すための技術を
構築された整姿法には、モミジの差し替え手入れ、カイヅカイブキの玉透かし、
マキ、モッコクの葉毟り手入れ、モチの爪透かし等々を総称して「御所透かし」と言っています。