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宮廷庭園の庭造りの思い 

紹介する庭園:京都御所・桂離宮・修学院離宮・仙洞御所など

講演内容 1.明日につなげる修復技術
     2.美に隠された造園技術
     3.その他ご希望の内容

出張講義の対象 ○大学、短大などの学校教育機関
        ○カルチャースクール
        ○造園技術者関係の方等

ご依頼方法 :お電話かメールでお問い合わせ下さい。折り返してご連絡差し上げます。

23年度のオーストラリア講演での御所透かし手入れ、実演風景 
   
   

講演者から一言

店舗外観


「わたくしたちのお庭」

高校を卒業し、今58歳になり39年間の間庭から沢山のものを教わりました。今私が思っている事は本当に素晴らしいものを与えてくれたという事です。この40年間の中には時代・文化が変わり、その方向性はスピードと便利さを追求し資本主義の中で電気社会が築き上げられた時代から見れば江戸時代初期、桂離宮、修学院、仙洞御所などがあるわけですが、江戸時代を経て明治・大正・昭和といった時代が三百五十年間の時空を超えて今まだ尚それらの有様が変った中でもとどめているわけでございます。

明治を超え大正を超え、昭和といった中、戦争が終わり復興が始まり、まさにその後の六十年間という時代は三倍も四倍もの速さで動いたのでないかと思います。それは機械・電気・水道等の便利さの追求、今までの三百六十年間の中の三百年間の人々達にとってはこのような生活は夢のようなものではないでしょうか。まさにそういった中で私達自身が本当の意味での露地として残さなければならなかった庭、それが桂離宮であり修学院離宮であります。

ブルーノ・タウトという方が訪れ、その素晴らしい造園的な美しさ、庭の美しさが表現され今ではブランド化され、皆そこには何の疑いも無くこれが世界に誇る名園だと思っておりますが、ただの驕りにしかすぎないかもしれません。今まさにもう一度、原点に帰らなければなりません。日本人が持っている本当に素晴らしい間性や感覚、庭を守ってきた人々達が汗水をかき繋げてきたこのすばらしい庭であります桂離宮や修学院には便利さを追求し新五条通りやまた物集線といった大きな道、また修学院にも白川通りといったそれまで無かった道が出来、田畑は全て無くなり今や住宅が立ち並ぶそんな世界でございます。そういった中、最後の砦、露地であった為に今その空間は三百六十年を経ても潰される事はありませんでした。都が出来る時に沢山の道を作り、忘れられたような姿になっているわけでございます。しかしながらこの中には日本人が忘れてはいけない素晴らしいものが沢山詰まっています。今その事についてこの講演のなかで述べていきたいと思っています。